フェイキックIOL(アイオーエル)/ICL、有水晶体眼内レンズ手術。視力回復手術の一つ。平たく云うと、眼球内にレンズを埋め込む手術のことです。
手術方法としては白内障のそれに近く、最大の違いは水晶体の取り出し有無ということのようです(一般名称【 フェイキックIOL 】のフェイキック = 有水晶体の意)。最大のメリットは、角膜を削ることなく-10D以下の最強度近視の矯正ができること。もし将来必要が生じた場合は、眼内レンズを抜去することによって手術前の状態に復元可能(理論上)。この「復元可能」である点が、レーシックとは大きく異なります。
レーシックの代替案として、セカンドオピニオンの女医さんが示してくれた術式、フェイキックIOL(ICL)。調べれば調べるほど、自分の状態に合っているように思えました。
フェイキックIOL(ICL)のメリット① 復元性がある
フェイキックIOL(ICL)手術では、角膜を削りません。手術後に問題が発生しても、レンズを取り出すことで概ね元の状態に戻すことができます(理論的には)。将来、老眼となって手許が見えづらくなった場合でも、再手術でレンズを取り出すことで対応が可能とされます。更に、抜去したフェイキックIOL(ICL)の近視矯正用レンズの代わりに、老眼用レンズを埋め込むことも。ここまですると、もはや老眼鏡さえ不要となります。
フェイキックIOL(ICL)のメリット➁ 最強度近視/角膜が薄い人でも対応可能
角膜を削らないため、矯正度数-10Dを下回る最強度近視を抱える人でも手術を受けることができます。また同様に、元から角膜が薄い人も手術を受けられる可能性があります。

※ この図は、当時の医師の説明や書籍等で調べた内容を元に個人が作成したイメージ図です。正確な医学的知見については、必ず専門医にご確認下さい
レーシックの手術の場合、近視の度合いによって削る角膜の厚さが変わります。近視が強いほど、角膜を厚めに削る必要が生じます。そのため、私のような最強度近視(=矯正視力を得るために、角膜を分厚く削る必要がある)の人にはレーシックは適用外となることがあります。
フェイキックIOL(ICL)のメリット③ 件数の多い白内障の手術に似ており、術式に安心感がある

※ この図は、当時の医師の説明や書籍等で調べた内容を元に個人が作成したイメージ図です。正確な医学的知見については、必ず専門医にご確認下さい
手術の形式自体は白内障の手術に近く、術式自体には一定の安心感を覚えました(手術方法自体は目新しいものではないので、未確認の問題点が出てくる可能性は低いのではないかと考えた次第)。
※ 白内障手術は水晶体を取り出すのに対し、フェイキックIOL(ICL)手術の場合、水晶体はそのまま残します。白内障の国内手術件数は、2019(令和元)年度で約166万件(これは私が手術を受けた時点の数値ではありません)。
引用元:参天製薬
フェイキックIOL(ICL)のデメリット①:国内手術件数、対応可能医院の数がレーシックに比べ圧倒的に少なかった
術式が白内障に非常に近しい点には多少の安心感を覚えたものの、やはりフェイキックIOL/ICLの手術件数が少ない = 臨床データが少ないことによる不安は否定できませんでした。特に、術後長期間の経過推移レポートがないという点が最大の不安でした。また、手術を受けられる医院の選択肢が大分少ない点も、一種のリスクとして認識していました。
2026年現在の状況
上述の通り、私が手術を検討していた2007年当時、フェイキックIOL(ICL)は「知る人ぞ知る先端治療」という位置づけでしたが、現在(特に2020年代以降)は状況が大きく変わっています。
ICL(眼内に埋め込むレンズ)の主要メーカーである スターサージカル社の発表(2026年6月プレスリリース)によると、同社のICL全世界累計販売枚数は400万枚を突破しています。2019年に100万枚を達成して以降、わずか2〜3年ペースで100万枚ずつ増加しており、日本国内でも認知度の高まりとともに手術件数が爆発的に伸びています。
スターサージカル、ICLの全世界累計販売枚数が400万枚を突破 ~世界85カ国以上で導入され、屈折矯正治療における活用が広がる~
2007年当時は「症例数が少なくて不安」「自分の周囲で誰も受けたことがない手術」だったICLですが、現在では症例数・対応クリニック数ともに十分に増え、一般的な屈折矯正手術の選択肢として定着しつつあるように感じています。
フェイキックIOL(ICL)のデメリット②:レーシックと比べ、手術費用がかなり高額だった
既に過当競争の観があったレーシック手術は割合お手頃価格で手術が可能でしたが、フェイキックIOL(ICL)手術は両眼で100万円程度が相場だったと記憶しています。2026年現在よりも大分お高めでした。理由は対応可能な病院がごく限られていたことの他、レンズ代金(個別に海外から手配/レンズ自体の特許費上乗せ)なども関係していたようです。
2026年現在の状況
2026年現在、フェイキックIOL(ICL)の費用は20年前と比べて大分お手頃の価格帯に落ち着いています。症例数が増えたことによるコスト平準化、病院間の競争の賜物でしょうか。
【コスト比較】ICL手術 vs. コンタクトレンズ
- 1日使い捨てコンタクト代:年間約5万円で試算
- 確定申告で医療費還付を受けたため、実際にかかった費用はもう少し安かった
- 1日使い捨てコンタクトレンズ代:年間約6万円で試算(コンタクトのアイシティ調べ)
- 確定申告をすれば、実質負担は更に減らせる可能性あり
コスト感の劇的な改善
2007年当時は「130万円 ÷ 年間5万円 ≒ 約26年」と、コンタクトレンズ費用換算では四半世紀分以上の額面試算となりました。
一方、現在ではコンタクトレンズ代の上昇(年間約6万円)とICL手術の標準化(相場約60万円)により、「60万円 ÷ 年間6万円 ≒ 約10年」で元が取れる計算になります。さらに確定申告で医療費控除(所得税の還付・住民税の軽減)を申請すれば、実質的な回収期間は10年未満(7〜8年程度)まで縮まります。
なお、視力矯正手術については【経済効率】だけでなく、リスクや御自身の生活の質(QOL)、将来老眼になった時のことなどを多角的に考慮されることを強くお勧めします。
